PFC-FD™2.0とは?
当院の主軸となる再生医療

PFC-FD™療法は、患者さんご自身の血液から血小板を取り出し、そこに含まれる「成長因子」を専門施設で抽出・濃縮した上で、フリーズドライ(凍結乾燥)加工した製剤を患部に注射する治療法です。
血小板に含まれる成長因子には、損傷した軟骨や腱、靭帯の修復を後押しする働きがあります。PFC-FD™療法は、この成長因子をPRP療法のおよそ3倍にまで濃縮した製剤で、加工と品質管理を厚生労働省認可の専門施設に委託することにより、安定した品質を保てるのが特徴です。
なお、PFC-FD™は成長因子のみを活用する治療であり、細胞の注入は行わないため、医療制度上は再生医療ではなく「バイオセラピー」として位置づけられています。
セルソース「PFC-FD™2.0」

当院では、セルソース社が開発・提供する再生医療向け加工製品「PFC-FD™2.0」を使用しています。従来品と比較して成長因子の含有量が増加しており、組織修復や抗炎症作用がより強く期待できます。保存期間も約1年間に延長され、患者さんのご都合に合わせた治療計画が立てやすくなりました。
※PFC-FD™2.0の加工は、再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省の特定細胞加工物製造許可を取得した専門施設に委託しています。
PFC-FD™2.0の特徴
成長因子の濃度がPRPの約3倍
PRP療法と比較して、組織修復に関わる成長因子の含有量が大幅に増えています。組織の修復を後押しする成分や、炎症を抑える成分がより多く含まれているため、痛みの軽減と機能の回復が期待できます。
注射後の痛みや腫れが少ない
PFC-FD™2.0で使用するのは血小板から成長因子のみを抽出した製剤であり、細胞成分を含みません。そのため、PRP療法と比べて注射後の炎症反応が抑えられ、痛みや腫れもほとんど出ない傾向にあります。
長期保存が可能
フリーズドライ加工により、約1年間の保存ができます。1回の採血で複数回分の製剤を作成できますので、治療のタイミングを柔軟に組むことができます。
通院の負担が少ない
PRP療法では注射のたびに採血が必要ですが、PFC-FD™2.0では初回の採血だけで複数回分を確保できます。2回目以降は注射のみとなりますので、複数回の治療をご検討の方や、遠方からお越しの方の通院負担も軽くなります。
PRP療法とは?
スピード重視の方に向く選択肢
PRP療法(多血小板血漿療法)は、患者さんご自身の血液から血小板を濃縮した成分(PRP:Platelet-Rich Plasma)を取り出し、痛みのある部位に注射する治療法です。
PFC-FD™2.0との大きな違いは、加工をすべて院内で完結できる点にあります。採血したその日のうちに遠心分離機で血小板を濃縮し、注射まで終えることができます。採血から治療までを1日で終わらせたい方、できるだけ早く治療を始めたい方には、PRP療法がおすすめです。
PRP療法の特徴
採血当日に治療まで完了
院内に設置された遠心分離機で約30分の処理を経て、その日のうちに注射まで完了します。「すぐに治療を始めたい」というご要望にお応えできるスピード感が、PRP療法の魅力です。
ご自身の血液を使う安心感
患者さんご自身の血液から取り出した成分を使用するため、異物を体内に入れることはありません。拒絶反応やアレルギーのリスクが低いとされる治療です。
様々な部位に対応
膝関節だけではなく、肩、肘、手、足、腱、靭帯など、幅広い部位の痛みに対応できます。注射部位や症状に応じて、適切な濃度・量を調整いたします。
PFC-FD™2.0とPRP療法の比較
| 項目 | PFC-FD™2.0 | PRP療法 |
|---|---|---|
| 使用する成分 | 成長因子(細胞成分なし) | 血小板そのもの |
| 加工場所 | 専門施設(厚生労働省認可) | 院内 |
| 採血から投与まで | 約2〜3週間 | 当日 |
| 成長因子の濃度 | PRPの約3倍 | 標準 |
| 注射後の痛み・腫れ | ほとんどなし | 2〜3日程度出ることあり |
| 保存期間 | 約1年間 | 当日のみ |
| 複数回治療の負担 | 1回の採血で複数回分作成可 | 注射ごとに採血が必要 |
| 向いている方 | 効果を引き出したい方、複数回治療を考えている方 | すぐに治療を始めたい方 |
対象となる症状
PFC-FD™2.0・PRP療法はいずれも、以下のような症状や疾患に対して効果が期待できます。
膝の疾患
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 前十字靭帯損傷・後十字靭帯損傷
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- 鵞足炎
その他の関節・腱・靭帯の疾患
- 変形性股関節症
- 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
- 腱板損傷
- テニス肘・ゴルフ肘
- 腱鞘炎・ばね指
- アキレス腱炎・足底腱膜炎
- スポーツによる怪我
治療の流れ
Step01
診察・検査
まず、痛みの部位や症状の程度を丁寧に伺います。レントゲンやMRI、超音波検査などで関節や組織の状態を詳しく確認し、PFC-FD™2.0・PRP療法が適しているかを判断いたします。
Step02
治療方針のご説明・ご同意
検査結果をもとに、患者さんお一人おひとりに合わせた治療方針をご提案いたします。期待できる効果やリスク、費用なども含めて詳しくご説明し、ご納得いただいた上で治療に進みます。
Step03
採血
腕の血管から、PFC-FD™2.0の場合は約50ml、PRP療法の場合は約20〜50mlの血液を採取いたします。
Step04
加工
PFC-FD™2.0:採取した血液を専門の加工施設へ送付いたします。施設で成長因子を抽出・濃縮し、フリーズドライ加工を行いますので、製剤の完成までに約2〜3週間かかります。
PRP療法:採取した血液を院内の専用遠心分離機にかけ、約30分で血小板を濃縮いたします。
Step05
注射
超音波ガイド下で正確に注射部位を確認しながら、適切な深さに製剤を注入いたします。局所麻酔を使用しますので、痛みのご心配はほとんどありません。
Step06
経過観察・リハビリテーション
治療後は段階的にリハビリテーションを進めていきます。当院の理学療法士が患者さんの状態に合わせたプログラムを組み立て、回復までしっかりとサポートいたします。
治療後の経過と注意点
注射当日の過ごし方
治療当日は、入浴、飲酒、激しい運動はお控えください。翌日以降は、痛みや腫れがなければ通常通りの生活を送っていただけます。
効果が現れるまでの期間
個人差はありますが、注射から2〜6週間ほどで効果を実感される方が多くいらっしゃいます。PFC-FD™2.0は、即効性よりも組織の修復を促す中長期的な改善を目指す治療です。
効果の持続期間
症状や個人差にもよりますが、半年から1年以上、効果が続く方もいらっしゃいます。リハビリテーションや生活習慣の改善と組み合わせることで、効果をより長く維持しやすくなります。
注意点
関節の変形が重度まで進行している場合は、PFC-FD™2.0・PRP療法の効果に限界があります。診察と検査で患者さんの状態を正確に把握した上で、適切な治療法をご提案いたします。
治療を受けられない方・注意が必要な方
以下に該当する方は、PFC-FD™2.0・PRP療法をお受けいただけない場合があります。
- 血液疾患(白血病、血小板減少症など)がある方
- 感染症(敗血症など)がある方
- 悪性腫瘍の治療中の方
- 発熱や全身性の炎症がある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 注射部位に感染がある方
- 感染症検査(HIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HTLV-1)で陽性反応が出た方(PFC-FD™2.0)
また、以下に該当する方は事前にご相談ください。
- 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用中の方
- 持病があり、他院で治療を受けている方
PFC-FD™2.0・PRP療法の費用
PFC-FD™2.0
| 種別 | 費用(税込) |
|---|---|
| シングル | 198,000円 |
| トリプル | 550,000円 |
PRP療法
| 対象部位 | 費用(税込) |
|---|---|
| 関節(膝・肩・肘など) | 176,000円 |
| 筋肉・腱・靭帯 | 88,000円 |
※いずれも自費診療となります
※診察料・検査料込
感染症検査について(PFC-FD™2.0の場合)
PFC-FD™2.0では、加工前に感染症検査を行います。検査で陽性反応が出た場合は、製剤を作成できません。その場合、感染症検査料(14,300円)のみご負担いただきます。
なお、感染症によってPFC-FD™2.0をお受けいただけない方でも、PRP療法ならご案内できる場合があります。お気軽にご相談ください。
さらに高い効果を求める方へ
PFC-FD™2.0のトリプルでも十分な改善が見られない場合、当院では幹細胞治療という、より進んだ再生医療をご提案しております。
幹細胞治療は、ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養・増殖させ、患部に注入する治療法です。日本の幹細胞治療のパイオニアであるお茶の水セルクリニックの寺尾友宏先生にご監修いただいております。