手術以外の選択肢をお探しの方へ

関節の変形が大きく進行すると、自然治癒が期待できないことがほとんどです。その際の解決策としては手術が一般的です。しかし、手術は身体的な負担が大きいため、すべての方に適応できる方法ではありません。
当院では、関節の手術以外の選択肢として、PRP療法をご案内しています。変形の程度によっては、症状を改善しつつ手術を回避できる可能性があります。まずは各関節の状態を詳しく確認した上で、患者さんに合った治療法をご提案いたします。
こんなお悩みはありませんか?
- 人工関節を勧められたが、できれば自分の関節を残したい
- 高齢で手術のリスクが心配
- 持病があり、全身麻酔に不安がある
- 入院や長期のリハビリが難しい
- 手術の前に他の方法を試したい など
人工関節手術について
人工関節手術は、損傷した関節を人工の部品に置き換える手術です。主に進行した変形性膝関節症や変形性股関節症の治療として行われています。手術によって痛みの根本的な解消が期待でき、歩行機能の回復につながります。適切なタイミングで行えば、生活の質を大きく改善できる治療法です。
無視できない手術の影響
一方で、入院期間は2~3週間程度、リハビリを含めた回復には数か月を要します。また、人工関節には耐用年数があるため、15~20年程度で再置換手術が必要になります。
加えて、術後は正座や激しいスポーツが制限されることもありますので、ライフスタイルへの影響も考慮する必要があります。特に60代以下の方は、将来的に再置換手術が必要になる可能性が高いため、手術のタイミングは慎重に検討することが大切です。
人工関節以外の治療法
保存療法(保険診療)
ヒアルロン酸注射、内服薬、湿布、リハビリなどが保存療法にあたります。関節の潤滑を改善して痛みを和らげる効果が期待できます。クリニックでの診療としては、まずこれらから始めることがほとんどです。
ただし、保存療法はあくまでも症状と関節の変形を抑えるのが目的です。変形が進行している場合は効果が限定的なので、次の治療ステップに進む必要があります。
PRP療法(自費診療)
ご自身の血液から採取した血小板を濃縮したものを、関節内に注射する治療法です。従来は「保存療法で改善しなければ手術」という二者択一でしたが、PRP療法はその間に位置する新しい選択肢です。
注射による治療のため入院は不要で、治療当日からほぼ普段通りの生活を送っていただけます。
PRP療法が適するケース
変形性関節症には進行度を示すステージがあります。症例にもよりますが、PRP療法が効果的なのは、ステージ1~3の方です。
| ステージ | 関節の状態 | PRP療法の効果 |
|---|---|---|
| ステージ1~2(初期~軽度) | 軟骨の摩耗が始まった段階 | 保存療法で改善しない場合に有効な選択肢 |
| ステージ3(中等度) | 軟骨が大きく減少している | 手術を避けたい方、手術前に試したい方は検討の価値あり |
| ステージ4(重度) | 軟骨がほぼ消失している | 人工関節手術が主な選択肢となる(※) |
当院では、適切な検査でステージを正確に診断した上で、PRP療法が適しているかどうかを判断しています。
(※)PRP療法によって、手術を先延ばしできることもある
PFC-FD™2.0
PRP療法と同様にご自身の血液を使用する治療法ですが、こちらでは血小板の成長因子を濃縮・活性化させたものを使用します。成長因子の濃度がPRPより高く、注射後の痛みが少ないという点が特徴です。複数回の治療を予定している方や、関節の変形が進んでいる方に向いています。
当院の考え方
院長は脊椎の専門家として、これまでに5,000件を超える手術を行ってきました。手術の効果や限界を知り尽くしているからこそ、切らずに症状を改善できるのなら、それに越したことはないと考えています。
手術が必要な場合はもちろん適切にご案内しますが、まずは身体への負担が少ない方法を探る。その姿勢を大切にしながら、PRP療法という新しい選択肢をご提案しています。
手術が必要な場合もある
PRP療法はすべての方に効果があるわけではありません。ステージ4まで進行している場合や、PRP療法を複数回行っても改善が見られない場合は、人工関節手術をおすすめすることがあります。
当院では、手術が必要と判断した場合は、適切な医療機関へのご紹介も行っています。「手術を避けたい」というお気持ちに寄り添いながらも、患者さんにとって本当に良い選択を一緒に考えていきます。