変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みや腫れが生じる病気です。軟骨は関節の間でクッションの役割を果たしています。これがすり減ることで、膝を動かした際に軟骨の欠片が神経を刺激し、痛みや炎症を引き起こすのです。
加齢や体重増加、過去の怪我などが原因となり、進行すると最終的に歩行が困難になることもあります。年齢とともに症状が進行する傾向があるため、早期の治療介入が重要です。
変形性膝関節症の主な症状
- 歩くと膝が痛む
- 階段の上り下りがつらい
- 正座ができない
- 朝起きた時に膝がこわばる
- 膝に水がたまる
- 長時間座った後に立ち上がると痛い など
病気の進行段階
変形性膝関節症は、軟骨の状態によって四つのグレードに分類されます。
| グレード | 軟骨の状態 | 主な症状 | PRP療法 |
|---|---|---|---|
| グレード1(初期) | わずかに摩耗が始まった段階 | 痛みは軽く、日常生活への影響は限定的 | 早期に対処することで、進行の予防が期待できる |
| グレード2(軽度) | 摩耗が進行 | 動き始めや階段で痛みを感じる | 手術をせずに症状が落ち着く方もいる |
| グレード3(中等度) | 大きく減少 | 歩行時にも痛み、膝の変形が目立ち始める | 手術の時期を先延ばしにできる可能性がある |
| グレード4(重度) | ほぼ消失 | 常に痛みがあり、歩行が困難 | 効果に限界があるため手術を推奨(症状の緩和は期待できる) |
基本的にどのグレードでも、痛みの軽減など何らかの効果が期待できます。グレード1~2の段階でPRP療法を行うことで、手術を回避できる方もいらっしゃいます。グレード3~4では人工関節手術が選択肢となってきますが、PRP療法によって手術の時期を先延ばしにできる可能性もあります。
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症には、原因がはっきりと特定できない「一次性」と、過去のケガや病気が関係している「二次性」があります。当院では、診察時に過去の膝のケガや病気についてお伺いし、原因を把握した上で治療方針を検討しています。
一次性の変形性膝関節症
一次性は、加齢や体型など複数の要因が重なり、軟骨の摩耗が進行することで発症します。50代以降に発症率が高まり、男性よりも女性に多いことが特徴です。肥満による膝への負担増加や、O脚・X脚といった骨格の特徴も関係しています。
二次性の変形性膝関節症
二次性は、過去のケガや病気が引き金となって発症します。靭帯損傷や半月板損傷、骨折などの外傷のほか、関節リウマチや痛風といった病気が原因となることもあります。
当院の治療方針:段階的な治療
当院では、いきなり自費の再生医療をおすすめすることはありません。まずは保険診療のヒアルロン酸注射やリハビリといった保存療法から始め、改善が見られない場合に再生医療をご提案いたします。それでも十分な手応えが得られない時、最終的な選択肢として人工関節手術を検討する流れです。
当院が推奨するPFC-FD™2.0
当院では「PFC-FD™2.0」と「PRP療法」をご用意しております。なかでもPFC-FD™2.0は成長因子の濃度がPRPの約3倍と高く、すり減った軟骨や周辺組織の修復を後押しする作用が期待できます。
症状の進行度に応じて「シングル(1回分)」「トリプル(3回分)」をお選びいただけるため、グレードに合わせた段階的な治療が可能です。なお、感染症がありPFC-FD™2.0の適応とならない方や、採血した当日に治療まで終えたい方には、PRP療法がおすすめです。
進行した変形性膝関節症には幹細胞治療も
PFC-FD™2.0 トリプルでも十分な改善が見られない場合や、グレード4まで進行した方には、幹細胞治療をご案内しております。ご自身の脂肪から幹細胞を採取して培養・増殖させ、関節内に注入する治療です。組織そのものの再生を目指す治療として、現在最も注目されている再生医療の一つです。
体重管理の重要性
膝への負荷は体重に大きく左右されます。体重が増えると膝への負担も増えて、症状が悪化しやすくなるからです。特に加齢による筋肉量の減少は、体重増加とも深く関係しています。これにより膝の内側に体重がかかりやすくなり、軟骨の摩耗が進行するという悪循環に陥ることもあります。
リハビリとの組み合わせ
再生医療の効果を高めるには、治療後のリハビリが欠かせません。注射だけで終わりではなく、膝まわりの筋力を強化することが長期的な改善につながります。
当院では、理学療法士によるリハビリプログラムを用意しています。筋力トレーニングや歩き方の指導、インソール(靴底挿板)の活用など、患者さんの状態に合わせた包括的なアプローチで膝の安定性向上を目指します。